オリ棒企画

フューネラルブーケの花よ贖え

2023.11.4〜2024.6.1

12本の墓花・仏花×旅×交流

__突然ですが、貴方は現世に甦った死者となりました。 

訳あって罪を背負いながら何らかの目的の為に生きていた貴方は、夢が叶う事なく志半ばで死んでしまいました。


生きていた時にしたかった事、後悔している事、ありませんか?

死んでしまっては出来なかった事が、甦った今ならそれが叶うかもしれませんよ?


それに、生前犯した罪は帳消しになるんですって!


やらない手はありませんよね?


さあ、今度こそ幸せになりましょう。 (※条件付き)



あの誘拐事件から、約20年の時が流れた。

誘拐事件の被害者だったアーテルとビアンカの間には"新しい家族"が出来たり、新しい事業を展開したりと今度こそ幸せな生活を送れている…かのように思われた。


またしても、誘拐と思われる失踪事件が発生してしまったのだ。

それも、気味が悪い事にあの時と同じように一語一句同じ置き手紙を残して だ。


「永遠の愛と幸せを探しに旅をしてきます。私達の事はどうか探さないでください。」


誘拐事件の犯人であったサラールが死んで尚、発生したこの奇妙な誘拐事件。

唯一違う点と言えば、自分の名前と自分が夫婦の娘である事以外の記憶を失った女の子が手紙の近くで倒れていた事くらいだろうか。

それよりも、今度は夫婦だけではなくフレゥール大陸全体で沢山の"男女の夫婦"が突然失踪してしまう事件が跡を絶たなくなった。


何一つ手がかりがないこの状況に対して警察の捜査も困難を極めており、事態を重く見た夫婦の親戚や友人は、またあの"便利屋の男"を頼り"ダーズンローズ達に助けてほしい"の依頼しか縋る道がなかった。

そう、ジャックだ。

せっかく便利屋を休業して自分のやりたいように過ごしていた所を呼び出されて不貞腐れているジャックに、"報酬金を前回の倍出す"という一言で依頼が成立した。


しかし、ダーズンローズ達はとっくの昔にバラバラになってそれぞれの人生を謳歌している。

それどころか、接触は疎か連絡がつかないという予想外の出来事が起こってしまう。


どうしたものか、新しく作るにも薔薇を人間にするのは自らの生みの親でもある香薔薇の大魔法使い、リクオルが消去してしまった。

これでは、薔薇人間は作れない。


…そうだ、最近やっと会得した黒魔導を使って"花の生命力と自分の魔力を使って遺骨を頼りに肉体を当時の状態に戻して死者を生き返らせて使役しよう"!

あろうことかとんでもない方法を思いついてしまった。


しかし、死者といっても多種多様。

ごく普通の死者を使った所では使える訳もなければ、対して面白くもない。

頭脳が冴えている偉人?体を使うのに慣れているアスリート?いやいや、そんな事はしない。

なんと彼が目をつけたのが、"理由があって生前罪を犯したが、罪を清算する機会もなく無惨にも散っていった罪人"でした。


そもそも死んだ人は法で裁く事が出来ないのが決まり。

なら別に生き返らせても構わないよね?

それに罪を犯した人なら何かしらの能力に特化している訳だ。

使い勝手がとても良いだろう。

よし、決まりだ!


こうして、ジャックは独自の調査によりピックアップした12人の遺骨を収集、そして黒魔導を使い貴方達を甦らせたのです。

つまり、貴方達は選ばれたといっても過言ではありません。

ちなみに貴方達を甦らせるのに使った花は、アーテルとビアンカが新しく始めたフューネラルフラワーのサービス業に使われる花束、"フューネラルブーケ"を使用している様子。


…もうここまで言えば提示する条件が何なのかはお分かりですね?

そう、貴方達が夫婦行方不明事件を解決する事。

それこそが、幸せになる為の条件です。


この旅の先に待っている物は、何なのだろうか?

あの娘が忘れてしまった記憶とは何なのだろうか?

そして…自分達は無事に幸せになれる片道切符を手に入れる事が出来るのだろうか?


-こちらはオリ棒企画"ダーズンローズの花よ舞え"から20年後の世界に焦点を当てた続編、"フューネラルブーケの花よ贖え"となります。-


-当企画は2024年6月1日をもって完全終了致しました、長らくのご愛顧ありがとうございました-