フューネラルブーケ達が、国籍が違くても問題なくお喋りが出来るのは魔導の力によるもの。
この魔導がかかっていないとフューネラルブーケは会話はおろかコミュニケーションすらままならなくなります。
でも大丈夫!大魔法使いの3人がいるなら会話が困難になる事なんて…
…パチン!パチパチ!
まるで、泡が弾けたかのような音が聞こえました。
何だ、何事だと他のフューネラルブーケの無事を確認しようと声をかけると…あれ?何だか訳の分からない言葉を話しているぞ?
まさか、これって…!?
"言葉の壁を無くす魔導が解けてしまった!?"
これって一大事では!?早く大魔法使いに会わないと!
…ってあれ!?いない!?代わりに置き手紙が1枚…なになに…
"君たちの面倒を見るのが少し疲れたから、ちょっと3人で温泉旅行してくるね!くれぐれも僕たちがいない間に問題を起こさない事!
p.s メヌエット=フィリサティも学校のお泊まり会とやらでいないよ! ジャック"
つまり、3人が帰って来るまで言葉の壁があるまま生活すると言う事に!? 一体どうなってしまうんでしょう…?
「ただいま〜!いやぁ、楽しかった〜!…うん?」
地獄のような時間がようやく終わりを迎えそうだ。
大魔法使い様が帰ってきたのだ。
不満が溜まったフューネラルブーケ達は皆、口々にジャック達に助けを求める。
「おやおやぁ、言語の壁が立ちはだかった途端にこんな騒ぎを起こすだなんて…国籍が違う人間の集まりってなんてこうもまぁ無様なんでしょう♡」
「…からかってないで戻してやれよ…。」
呆れるニュロと、お土産であろう温泉まんじゅうを食べながら自分達の情けない姿を見て笑うオロニ。
そして、オロニと同じくこの惨状を見てクスクスと笑うジャック。
「うーん、もう少し見ていたいけど…可哀想だから戻そうか!」
そう言って彼はパチン、と指を鳴らす。
すると、どうだろう。
あんなに疎ましく思っていた言葉の壁は、いとも簡単になくなってしまった。
これでまた皆と話ができる!
フューネラルブーケ達は、ホッと胸を撫で下ろした。
「…これも、僕の交流を深める作戦の1つだったりしてね。…ふふ、なんてね。」
言葉の壁とフューネラルブーケ 終
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