🍂→ジャック
🩸→ニュロ
🍂「やぁやぁ、参加者の人間君達!ご機嫌よう!
僕はお馴染み金銭と交換で人間の欲望を叶える便利屋をしているジャックだよ。
今は便利屋を一旦休んで振り返りの会の司会を務めているけど、こういうのは細かい事は気にしたら負けだから肩の力を抜いて見ておくれよ。
さて、今回の振り返りの会のテーマは前回の続きからだね!
ご夫婦探しの旅もいよいよ大詰め、ここでダーズンローズに大変な事が起こってしまった!果たしてその大変な事とは…って言うのが前回話した事だね。
今回はこの続きから話していこうと思うよ!
余談だけど、今回を含めて振り返りの会はあと2回行う予定、なおかつゲストは毎回変わるんだ!楽しみにしておくれよ!
よし、無駄話もここまでにしておいてさっさとゲストの紹介に移ろうか。
今回のゲストは僕の同期の1人で最強の戦闘力を誇る血薔薇の大魔法使い、ニュロだよ!」
🩸「……ん。(自己紹介とは…?まぁいいや)」
🍂「さて!ゲストの紹介も終わった事だし、前回の続きからいってみようか!」
🩸「…(私がいる意味はあるのだろうか?)」
🍂「あるよ!今回の振り返りの会のゲストは君が1番適任だからね!」
🩸「人の心を勝手に読むんじゃない。」
🍂「ごめんごめん!」
🍂「さて、ダーズンローズを襲った大変な事とは。
ニュロ。君に問おう。良いニュースと悪いニュース。君なら先にどっちが聞きたい?」
🩸「良いニュースから。」
🍂「良いだろう!良いニュースとは、ライゼスダフォルにてご夫婦がようやく見つかった事だ。
いやー、ようやくこれでダーズンローズの長いような短いような旅も、僕が受けた依頼も、全てが終わる。
皆、そう信じていたんだ。しかし現実はそう上手くいかないんだよね!
悪いニュースは…まさかご夫婦を誘拐した犯人が僕にご夫婦を探してきてほしいって依頼を持ってきた人間君だったとはね!
いやー、こんなくだらない茶番、まだ安っぽいB級映画の方が面白いよね!」
🩸「あの3人は人間だからこんな泥沼騒動に巻き込む、巻き込まれるのもなくはないだろうな…。分からんけど。」
🍂「はは!生きていればこんな事もあるとはよく言ったものだ!
今回の一連の騒動は、要約すると一方的に婚約を破棄された依頼人君の逆恨みと言った所かな。
たかが恋愛でここまで事を大きくしてしまう辺り、やはり愛は偉大なのかもしれないね!」
🩸「まぁ、それが人間という生き物だからな。仕方ないだろ。」
🍂「それもそうだね!さて、こんなどう足掻いても救いようのない依頼人君だけど何故ダーズンローズを人間にしたのか疑問に思うだろう?
それにはね、ちゃんと依頼人君なりの考えがあったんだ。
あのご夫婦にはね、生花ゆえいずれ枯れてしまうであろうダーズンローズを乾燥して、ボックスにいれてとっておいて 死ぬときに棺に入れて天国でも思い出のダーズンローズを持っておきたいねと話していたらしいんだ。
でも、ダーズンローズを物ではなく人にしてしまえばその夢は叶えられなくなる、だから僕を頼ってダーズンローズを人間にしたんだ。
燃やしたり廃棄しようとも考えたらしいけど、一応腐っても元婚約者以前に彼は薔薇農家の息子だからそれは出来なかった。
まぁ、所謂職業病というやつだね。
思い出の品をどちらかの棺に入れるという夢を奪われ、幸せな結婚生活を奪われて、とにかく絶望して死んでほしかったらしいよ、いやー、怖いね!」
🩸「夫婦を絶望させるのが目的って訳だったな、お前らだけ幸せになるなんて許さない、って感じだった。
ある意味、あの人間も元婚約者に振り回された被害者って言った感じかな。」
🍂「まぁそんな捉え方もあるよね!
さて、そんな依頼人君、僕が口を滑らせたのも悪いんだけど僕の弱点である"黒魔導に弱い"事を逆手に取って僕を攻撃してきたんだよ!お腹に黒魔導を込めた包丁をぶっ刺してきてね!
おかげさまで、黒魔導に耐性がない僕は依頼人君にやられてしまった訳だ。
依頼人君は僕を倒しただけじゃなくて、ダーズンローズにも攻撃してきてね。
ダーズンローズは呪術のせいで半分は薔薇に戻されてしまうんだ。
僕は倒れていて使い物にならない、このままダーズンローズは全滅かと思われたその時、僕の身体を乗っ取ってある人物が現れたんだ。…誰だか分かるよね?ニュロ?」
🩸「…私とオロニがあの場にいなかった理由。
急に降り出した雨のせいでオロニは離脱、私は周辺に漂っていた香水を思わせる甘ったるい香りのせいで眠ってしまった。…雨は例の依頼人がやったらしいが、あの甘い香りは…こんな事する奴は1人しかいない。リクオルだ。」
🍂「そう、ライゼスダフォルは死者の怨念や未練が漂う場所。
そこは、死者にとっては好都合の場所でね。
僕はかつてフレゥール大陸に存在していた香薔薇の大魔法使い、リクオルに憑依された訳だ。」
🩸「……。」
🍂「おや、なんだい急に黙ってしまって。
…やっぱり、リクオルの事が気になるのかい?もう成仏したんだから大丈夫だよ、多分ね。」
🩸「…ほっといてくれ。」
🍂「んー、連れないなぁ。君がリクオルの事をプラトニックな意味で好意を寄せているのは分かってモゴゴゴ…」
🩸「早く話を進めろ。」
🍂「もー、我儘だなぁ。じゃあ、話を進めよう。
僕の身体を奪っ…んん…借りたリクオルは残ったダーズンローズ達に呪術を解除する魔導を探してきてほしいと話したらしいんだ。
図書館、ご夫婦の家、僕の部屋…ありとあらゆる場所を探してリクオルの墓に呪術を解く魔導書がある事が分かった。
魔導書はリクオルの棺の中にあってね、墓を掘り起こして棺を開け、魔導書を取り出して呪術を解く魔導を探している最中に魔導書の中にある写真が挟まっていたんだ。
その写真はリクオルと僕、ニュロ、兄さんの4人が映っている写真。
この写真が何を意味するのか。そう、ダーズンローズ達に僕たちが"リクオルに作られた薔薇人間"、"薔薇人間を作る魔導は術者が死亡すると永遠にこの世に縛られる事になる事に従い、死ぬ事が絶対に許されない長い時を生き続けている薔薇人間"それが僕達だと言う事だ。
だって、リクオルがとっくに死んでいるのに僕たちが年も取らずにピンピンしているのはおかしいからね 察したんだろう。
いやいや、何て事だろう!まさか僕達も薔薇人間だと言う事がバレてしまうだなんて!」
🩸「別にあの子達には薔薇人間とバレても構わなかったんだがな、同族な訳だし。」
🍂「まぁ、人間君にバレないだけ良いよね!はは!
そんなこんなで薔薇に変えられたダーズンローズは元に戻って、あの依頼人君はダーズンローズにこてんぱんにされた後、僕と兄さんの手で殺して、ご夫婦も戻ってきてめでたしめでたしといった感じかな!」
🩸「急にはしょりすぎじゃないか?」
🍂「いやー!時間が押してるからね!」
🩸「時間…?」
🍂「君が気にする事ではないよ!
この後、ダーズンローズ達は愛する人と過ごしたり信頼する仲間と世界を巡る旅をしたり各々のやりたいように過ごしていく訳さ。
事実上、ダーズンローズは解散って感じだね。」
🩸「これが20年も前の話か、時間の流れは早いものだね。」
🍂「そうだね!まぁ、僕らにとっては20年なんて人間で言う2分くらいだけどね!」
🩸「ふん…。」
🍂「と、言う訳で!今回はここまで!
完全に、とは言わないけど参加者の人間君達がダーズンローズの花よ舞えがどんな企画だったか少しでも思い出してくれたら僕は嬉しいね!
さて!次回、振り返りの会 最終回のテーマは"ダーズンローズ、大魔法使い、夫婦やある人間の大魔法使いの関係性"を振り返っていくよ!
はは、この振り返りの会が終わると言う事はいよいよ新企画 フューネラルブーケの花よ贖えが開始すると言う事だよ、楽しみだね!」
🩸「振り返りの会が終わるとかテーマとかはどうでもいいとして、さっきから甘ったるい匂いと人の気配がするんだが…どうせ次のゲストは"アイツ"だろ。」
🍂「流石ニュロ!感が鋭い!そう、次回のゲストはあの人しかいないね!
まぁ名前を言ってしまっては楽しみが減ってしまうから敢えてここでは濁しておこう!
さて、時間も押してしまっているから終わりにしよう!
それでは!また次回の振り返りの会でお会いしよう、ご機嫌よう〜!」
🩸「…じゃあな。」